転移性脳腫瘍


  1. ガン患者さんの40%に脳転移が生じます

脳外科で転移性脳腫瘍を治療することは少なくなりました

脳転移の多くは定位的放射線治療か放射線外科治療(ラジオサージェリー)で治療できますし治療成績も良いので,手術よりも放射線治療が優先されるようになってきました転移性脳腫瘍の大きさが 3cmくらいが,定位放射線治療と外科手術の境界線です

放射線外科治療の入院は1日とか3日とかの短期間で済みますが,手術となると最低でも2週間くらいでしょう

全脳照射は脳の全部に放射線を当てることをいいます

脳転移が生じてしまった患者さんの予後は一般的には不良で,生命予後は6ヶ月前後とされていま
でも,乳がんや肺がんの多発脳転移でも,治ってしまって10年以上元気な人もいます




  1. 癌をもった患者さんに脳転移が起こっても,治療をあきらめる時代ではありません

わかりにくい用語:定位放射線治療のSRSとSRTの違い

  • 放射線外科治療 SRS stereotactic radiosurgery とは,1回だけの照射で治療することで,ガンマナイフ治療が代表的なものです
  • 定位分割放射線治療 SRT stereotactic radiation therapyとは,2から10回くらいに分割して定位照射を行なうことで,fSRT fractionated stereotactic radiation therapy  定位分割照射ともいいます,サイバーナイフ,ノバリスなどで行います

  • 放射線障害が強く出ますが,個人差がとても大きいです
  • 数ヶ月後に認知障害になるかもしれないと考えておいた方がいいでしょう

  • 転移性能腫瘍のできた場所に応じて,さまざまな局所神経症状が出ます
  • 麻痺,ふらつき,失語症,複視などなんでも起こります
  • もしく脳浮腫による頭痛・嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状がでます
  • 症状は数週間の期間に進行する場合が多いです
  • てんかん発作(けいれん発作)で発症する例もあります
  • 嘔吐などが強くなって放置すれば脳ヘルニアを起こして意識障害が生じます
  • 腫瘍の内部で出血を起こして急激に症状が進行することもあります
  • 頭蓋底部に病変が存在すれば,複数の脳神経を侵して多発性脳神経麻痺を起こしてくることもあります
  • 髄膜がん腫症では頭痛や嘔吐などの髄膜刺激症状を認めます
  • 特に歩行時のふらつきで発症する小脳転移は脳ヘルニアを生じやすいので,放射線治療をしないで積極的に開頭手術した方がいいことが多いです


脳転移の治療は基本的に寛解導入あるいは緩和療法

全脳照射は生命予後の短い患者さんの入院を長期化させます


  • 化学療法(制がん剤)は原発巣の組織型によってさまざまな選択になりますが,一般的に有効性はとても低いです





この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
タグクラウド