ロンサーフ


ロンサーフ配合錠T15


主成分
トリフルリジン
チピラシル塩酸塩
剤形
白色の扁平球状の錠剤、直径7.1mm、厚み2.7mm
識別コード
622336001
シート記載
ロンサーフ配合錠T15 15mg(容器上面のラベルに記載)
改定
2014年5月

作用と効能について

  • 腫瘍細胞のDNAに取り込まれ、腫瘍増殖抑制効果を発揮すると考えられています。
    通常、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんの治療に用いられます。



【働き】
大腸は大きく結腸と直腸に分かれます。そこに発生するがんの総称が大腸がんです。大腸がんの治療は切除を基本としますが、手術ができない場合や再発がんに対しては、いくつかの抗がん薬を組み合わせた化学療法(FOLFOX療法、FOLFIRI療法等)をおこないます。ただ、抗がん薬には限界があり、その効果はある一定の期間使用すると薄れてくるものです。その抗がん薬に抵抗力をもつ一部のがん細胞が再び増えてくるからです。

このお薬は大腸がんに有効な新しい抗がん薬です。がんの遺伝子(DNA)に入り込み、遺伝子の複製をじゃますることで、がんの増殖をおさえます。今までの抗がん薬とは効きかたが違うので、標準的な化学療法が効かなくなった場合でも一定の効果が期待できます。このため、いくつかの標準治療のあとに悪化した大腸がんに、第3の切り札として用いれば、何もしないより長生きできる可能性があるのです。

【薬理】
抗がん作用をもつ主成分のトリフルリジンと、補助成分のチピラシルが配合されています。トリフルリジンは、がんの遺伝子が複製されるさい、チミジンの代わりに遺伝子構造内に取り込まれ、その機能障害を引起こすことで抗腫瘍効果を発揮します。一方、チピラシルの配合目的は、トリフルリジンの分解を抑え作用を持続させるためです。すなわち、トリフルリジンの分解をうながす酵素チミジンホスホリラーゼを阻害し、トリフルリジンの血中濃度を維持する役目をします。

【臨床試験】
この薬の大腸がんに対する効果と安全性を調べる臨床試験がおこなわれています。参加したのは進行した大腸がんで、2つ以上の標準的化学療法をすでにおこなったいる患者さん169人。このうち112人はこの薬を、別の57人はプラセボ(にせ薬)を服用し、それぞれの生存期間を比較します。

その結果、この薬を飲んでいた人達の生存期間の中央値は9.0カ月でした。一方、プラセボの人達は6.6カ月にとどまりました。この薬を飲んでいた人達のほうが生存期間が長く、プラセボを上回る延命効果が示されたわけです。安全性についても許容範囲内で、副作用の管理もほとんどの人で可能でした。


副作用吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、疲労、口内炎、肺炎をはじめとする感染症など、いろいろな副作用がでやすいです。多くの場合そのまま継続できますが、症状によっては薬の減量もしくは休薬が必要です。体の異変が気になるときは医師と連絡をとってください。

副作用でもっとも重要なのが骨髄抑制にともなう血液障害です。白血球が極端に減少すると、体の抵抗力がひどく落ちて感染症にかかりやすくなります。また、血小板減少により出血を生じることもあります。発熱やのどの痛み、鼻血や皮下出血、歯茎出血などが現れたら要注意です。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や歯肉出血など出血傾向。
  • 重い感染症..発熱、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、けん怠感、下痢、皮膚がピリピリ痛い、皮膚の発赤・水ぶくれ・できもの。
  • 間質性肺炎..から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。

【その他】
  • 吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、便秘、腹痛、口内炎
  • 疲労、発熱、頭痛、かぜ
  • 手足のしびれ、脱力、発疹






2014年3月24日、抗悪性腫瘍薬のトリフルリジン・チピラシル塩酸塩(商品名ロンサーフ配合錠T15、同配合錠T20)が製造販売承認を取得し、5月26日に発売された。適応は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」で、1日2回(朝食後および夕食後)経口投与する薬剤である。投与量は体表面積に応じて調節する。「5日間連続投与後2日間休薬。これを2回繰り返したのち、14日間休薬」を1コースとして投与を繰り返す。

 近年、日本の大腸癌死亡率および罹患率は著しく増加している。2012年の人口動態統計によれば、女性の大腸癌死亡は、部位別に見た全悪性新生物による死亡の中で最多であり、男性でも肺癌、胃癌に次いで多い。この50年間ほどで、大腸癌死亡は男女とも約10倍に増加している。

 この間、大腸癌治療薬の開発も盛んに行われており、血管内皮成長因子(VEGF)に対するベバシズマブ(商品名アバスチン)、上皮成長因子(EGFR)に対するセツキシマブ(商品名アービタックス)、パニツムマブ(商品名ベクティビックス)などの分子標的治療薬が登場している。さらに昨年、腫瘍や血管新生に関与する複数のプロテインキナーゼの活性を阻害する経口マルチキナーゼ阻害薬であるレゴラフェニブ(商品名スチバーガ)が臨床使用されるようになり、飛躍的に治療効果が向上してきている。

 ロンサーフの主成分であるトリフルリジンは、既存のフッ化ピリミジン系抗癌薬と同様、チミジル酸合成酵素を阻害すると共に、DNAに取り込まれることで腫瘍増殖抑制作用を発揮する。しかし、生体内での代謝が速やかであるなどの理由で単独使用が難しかった。そこで、トリフルリジン(FTD)の代謝酵素チミジンホスホリラーゼを阻害するチピラシル塩酸塩(TPI)をFTD:TPI=2:1のモル比で配合することで、FTDの血漿中薬物濃度を維持し、腫瘍増殖抑制作用を増強したのが本薬である。

 国内での臨床試験(フッ化ピリミジン系抗癌薬、イリノテカンおよびオキサリプラチンを含む前治療2レジメン以上の進行または再発の結腸・直腸癌患者を対象とした第2相臨床試験)では、全生存期間の延長効果などの有効性が確認されている。

 本薬の承認は全世界で日本が最初であり、標準的な治療が困難で治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸癌の治療で新たな選択肢となると期待されている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの国内臨床試験において96.6%に何らかの副作用(臨床検査値異常を含む)が認められていることに十分注意する必要がある。主な副作用は、白血球減少(76.5%)、好中球減少(73.1%)、へモグロビン減少(63.9%)、悪心(63.0%)、食欲減退(55.5%)などであり、重大な副作用として、骨髄抑制、感染症、間質性肺疾患に注意する。また、フッ化ピリミジン系抗癌薬などとの併用で、重篤な骨髄抑制などの副作用が発現するおそれがある旨の警告がなされていることに留意しておく必要がある。


新しい薬剤は、
がんを宿した患者さんにとって大きな武器になることもあります。


UFTもフルツロンもTS-1もゼローダも、
使い方次第では、
非常に大きな武器になります。

何年もの平穏な生活を与えてくれている患者さんもたくさんいます。
勿論、全員標準的には飲んでいません。


「ロンサーフ」も、
飲みかた次第では、
極めて大きな武器になってくれる可能性が、
多分に感じられる薬剤です。


はじめの保険適応が、
大腸・直腸がんだけなのは残念ですが、

かなり期待しています。



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